寂しき春


したたり止まぬ日のひかり
うつうつまはる水ぐるま
あをぞらに
越後の山も見ゆるぞ
さびしいぞ

一日もの言はず
野にいでてあゆめば
菜種のはなは
遠きかなたに波をつくりて
いまははや
しんにさびしいぞ



「抒情小曲集」(大正7)所収

語釈
【越後】 新潟県。
【菜種のはな】 菜の花。
【いまははや】 「はや」は感動の助詞。


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