高柳重信 【たかやなぎ しげのぶ】

大正12年1月9日〜昭和58年7月8日。前衛としての現代俳句の代表的存在であり、暗喩を駆使し、多行形式によってイメージを屈折・重層化させる句を作った。


代表句集
  • 「蕗子」 昭和25年
  • 「伯爵領」 昭和27年
  • 「黒弥撒」 昭和31年
  • 「山海集」 昭和51年

代表作品
身をそらす虹の
絶巓
    処刑台 (『蕗子』昭和25)


「月光」旅館
開けても開けてもドアがある (『蕗子』昭和25)


月下の宿帳
先客の名はリラダン伯爵 (『蕗子』昭和25)※1


船焼き捨てし
船長は

泳ぐかな (『蕗子』昭和25)


明日は
胸に咲く
血の華の
よひどれし
蕾かな (『伯爵領』昭和27)


日が
  落ちて
山脈といふ
言葉かな (『黒弥撒』昭和31)


軍鼓鳴り
荒涼と
秋の
痣となる (『黒弥撒』昭和31)


樹々ら
いま
切株となる
谺かな (『黒弥撒』昭和31)


まなこ荒れ
たちまち
朝の
終わりかな (『高柳重信全句集』昭和47)


飛騨(ひだ)
(うま)朝霧(あさぎり)
朴葉(ほほば)()がしの
みことかな (『山海集』昭和51)




※1 「リラダン伯爵」は19世紀末のフランスの作家で、「生活などは召使いに任せておけ」という言葉で有名。


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