渡辺白泉 【わたなべ はくせん】

大正2年3月24日〜昭和44年1月30日。弾圧の厳しい戦時下にあって、国家・社会に対する批判精神を持ち続け、卓抜な諷刺に満ちた句を作った。


代表句集
  • 「白泉句集」 昭和50年

代表作品
街燈は夜霧にぬれるためにある (昭和10)

(とり)たちにカンナは見えぬかもしれぬ (昭和10)※1

銃後といふ不思議な町を丘で見た (昭和13)※2

繃帯を巻かれ巨大な兵となる (昭和13)

戦争が廊下の奥に立つてゐた (昭和14)

憲兵の前で滑つて転んぢやつた (昭和14)

夏の海水兵ひとり紛失す (昭和19)

玉音を理解せし者前に出よ (昭和20)

地平より原爆に照らされたき日 (昭和31)

まんじゆしやげ昔おいらん泣きました (『白泉句集』昭和50)




※1 「カンナ」はカンナ科の多年草。
※2 「銃後」は戦線の後方。転じて、直接は戦争に参加していない一般国民や国内をさす。



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